「海岸漂着物対策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な方針」の改定に対するパブリックコメント実施中
1. 背景
「海岸漂着物対策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な方針(以下、基本計画といいます)」は、海岸漂着物処理推進法第13条第1項に基づき、海岸漂着物対策専門家会議での議論を経て、策定されます。
現在の基本計画は、平成21年7月に「海岸漂着物処理推進法」が公布・施行された後、平成22年3月に「海岸漂着物対策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な方針」として閣議決定されたものです。
「海岸漂着物処理推進法」については、関連記事:海岸漂着物処理推進法とは をご確認ください。
2. パブリックコメントの対象
海岸漂着物対策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な方針改定案
3. パブリックコメント募集期間
平成30年12月25日(火)~ 平成31年1月31日(木)
4. 基本方針改正案の紹介
海岸漂着物対策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な方針(改定案)から、発生抑制に関する項目を以下に抜粋します。今回の改正で、新たに加わった部分は、下線を引いています。
(2)海岸漂着物等の効果的な発生抑制
① 3Rの推進による循環型社会の形成
国民生活に伴って発生した海岸漂着物等となり得るごみ等の発生抑制に努めることが重要である。
このため、国や地方公共団体は、循環型社会形成推進基本法に規定する基本原則に基づき、容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律(平成7年法律第112号)などの各種リサイクル法の適切な実施を始め、3R(リデュース、リユース、リサイクル)の推進を図ることを通じて国内における廃棄物の発生抑制と廃棄物の適正な処分を確保することにより、我が国における大量生産、大量消費、大量廃棄の社会構造を見直し、循環型社会の実現を図るよう努める。
特に海洋プラスチックごみ対策としては、陸域で発生したごみが河川その他の公共の水域を経由して海域に流出することに鑑み、海洋プラスチックごみ問題の正しい理解を促しつつ、国民的気運を醸成し、違法行為である不法投棄・ポイ捨ての撲滅を徹底するとともに、ワンウェイのプラスチック製容器包装・製品のリデュースなどによる経済的・技術的に回避可能なプラスチック類の使用の削減、リユース容器・製品の利用促進等により、廃プラスチック類の排出の抑制に努める。さらに、経済性及び技術可能性を考慮し、容器包装・製品の機能を確保することとの両立を図りつつ、効果的・効率的で持続可能なリサイクル、生分解性のバイオプラスチック・再生材の利用の促進、廃プラスチック類の適正処理の徹底等に努める。また、漁具等の海域で使用されるプラスチック製品について、陸域での回収を徹底しつつ、可能な限り、分別、リサイクル等が行われるよう取組を推進する。② マイクロプラスチックの海域への排出の抑制
微細なプラスチック類であるマイクロプラスチックは、含有・吸着する化学物質が食物連鎖中に取り込まれることによる生態系への影響など、海洋環境に深刻な影響を及ぼすおそれがあり、また微細であるためその回収・処分が困難となることから、海域に流出しないよう、通常の用法に従った使用の後に河川その他の公共の水域又は海域に排出される製品への使用や廃プラスチック類の排出を抑制することが対策の要である。
マイクロプラスチック対策については、洗い流しのスクラブ製品におけるマイクロビーズの使用中止の呼びかけや樹脂ペレットの漏出防止の取組等、我が国の産業界による自主的な取組が進められているところであるが、我が国沿岸海域において多くのマイクロプラスチックが確認されており、引き続き、関係主体との連携協力の下、取組を一層推進することが不可欠である。
このため、事業者は、マイクロプラスチックの海域への流出が抑制されるよう、洗い流しのスクラブ製品6に含まれるマイクロビーズ7の削減を徹底するなど、通常の用法に従った使用の後に河川その他の公共の水域又は海域に排出される製品へのマイクロプラスチックの使用の抑制に努める。また、プラスチック原料・製品の製造、輸入、流通工程をはじめ、サプライチェーン全体を通じて、ペレット8等の飛散・流出防止の徹底を図るとともに、輸入されたマイクロビーズが含まれる洗い流しのスクラブ製品などの流通及び販売の抑制に努める。また、事業活動においてプラスチック原料等が廃棄物等となることを抑制すること、循環的な利用が行われていない循環資源について自らの責任において適正に処分すること等により、廃プラスチック類の排出が抑制されるよう努める。
国は、マイクロプラスチックの使用の抑制、飛散・流出防止の措置及びマイクロプラスチックを含有する製品の流通の状況等について調査を実施し、その実態を把握する。
詳しくは、環境省ホームページをご確認ください。
「海岸漂着物対策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な方針」の改定に対する意見の募集(パブリックコメント)について(平成30年12月25日)
この記事は
DOWAエコシステム 環境ソリューション室
上田 が担当しました