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有害使用済機器の保管等に関するガイドライン(2)

「廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律」(平成29年法律第61号)が第193回国会で成立し、平成29年6月に公布されました。
本改正のうち雑品スクラップ対策に係る部分について、平成30年3月に「有害使用済機器の保管等に関するガイドライン(第1版)」が発行されましたので、2回に分けて内容をご紹介します。

【参照ホームページ】

環境省ホームページ
有害使用済機器の保管等に関するガイドライン
有害使用済機器を保管又は処分する事業者のみなさまへ

【4】雑品スクラップ対策に係る法改正とは

有害使用済機器保管等事業者は、有害使用済機器(以下、機器)の保管・処分の基準を遵守しなければなりません。

■保管・処分の基準
囲いの設置 みだりに人が入り込まないよう、また機器やその一部が周辺環境へ飛散・流出しないよう管理するため、囲いを設け、保管の位置を明らかにする。
また、囲いに荷重がかかるように機器が保管されている場合、当該荷重に対して構造耐力上安全なものとする。
掲示板の設置 機器の保管等の場所である旨、保管/処分の別、保管品目、管理者の氏名/名称と連絡先、最大保管高さなど、必要事項が表示された掲示板を設ける。
保管高さ 屋外で容器を用いずに保管する場合、周辺環境への飛散・流出防止や火災対策の観点から、保管の状況に応じて定められた高さを超えないようにする。
土壌・地下水
汚染防止
油の漏洩や汚水の発生・流出等により環境汚染のおそれがある場合は、地下浸透を防止するためのコンクリート敷設や、汚水の流出を防止するための排水溝の設置等の措置を講ずる。
飛散・流出に関する必要な措置 屋外で容器を用いずに保管し、強風時等に飛散・流出するおそれがある場合は、フェンスを設けるなど、保管等の状況に応じて必要な対策を講じる。
生活環境の保全 搬入搬出に伴う車両の走行、車両からの積卸し、積込み、選別時の重機稼働、処理施設の稼働等による騒音・振動により、生活環境保全上悪影響をおよぼさないよう必要な措置を講じる。
火災・延焼防止 保管にあたり、火災発生源の可能性のあるものの分別、保管高さを一定程度に制限する等の措置を講じる。
処分にあたり、発火のおそれのあるものや、蛍光管又は電池等の有害物質の飛散・流出のおそれがあるものを取り除く。処理設備に投入する機器の中に処理に適さないものが含まれていないことを連続的に確認することや、火災発生時の初期対応として消火器を設置する等措置を講じる。
公衆衛生の保全等 保管する機器の整理・整頓・清掃や、機器内部等に雨水が溜まらないようにする等により事業場内を衛生的に管理し、ねずみ、害虫等が発生しないようにする。
特定家庭用機器の処分 エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機は、環境大臣が定める方法により処分する。(金属回収やフロン回収等の措置)
禁止行為 有害使用済機器の焼却、熱分解、埋立処分、海洋投入処分は禁止。

■保管および処分の場所のイメージ

ガイドライン11~15ページには、掲示板や囲いの基準の詳細や、汚水の地下浸透防止・流出防止対策、フェンス設置等の事例が図・写真付きで紹介されています。

【5】帳簿の記載・保存

有害使用済機器保管等事業者は、取扱い品目毎に、受入先、受入量、搬出先等を帳簿に記録し(1年毎に閉鎖)帳簿を5年間保存しなければなりません。

■帳簿への記載事項(取扱い品目毎)
保管 受入年月日、受入品目、受入先、受入量、搬出年月日、搬出先、搬出品目、搬出量
処分又は再生 処分又は再生年月日、処分又は再生方法、処分又は再生量、処分又は再生品目、持出年月日、持出先、持出品目、持出量

帳簿記載事項の詳細はガイドラインの16ページをご参照下さい。また、ガイドラインの27ページには帳簿の記載例が示されています。

【6】立入検査等

有害使用済機器又はその疑いのある物の保管又は処分を業とする者は、都道府県等から、有害使用済機器に係る報告徴収、立入検査、改善命令、措置命令等を受ける場合があります。

これらの対象者には、正式に届け出た事業者のほか、未届けの「有害使用済機器又はその疑いのある物の保管又は処分を業とする者」も含まれることにご注意ください。
報告徴収や立入検査の拒否、届出義務違反、改善命令や措置命令違反には、それぞれ罰則が規定されています。


大原 この記事は
メルテック株式会社
大原 が担当しました

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