第三次循環型社会形成推進基本計画の進捗状況の第2回点検結果が公表されました。
平成25年5月に第三次循環型社会形成推進基本計画が閣議決定され、この第三次循環型社会形成推進基本計画の着実な実行のため、毎年、施策の進捗状況の評価・点検を行う事とされています。
中央環境審議会 循環型社会部会が、数値目標の達成状況や、循環型社会形成のための取組の状況等について評価し、今後の課題と取組の方向を提言した第2回点検結果(暫定版)が取りまとめられ、平成28年1月12日~平成28年2月12日にパブリックコメントが実施され、平成28年4月11日に中央環境審議会会長から環境大臣に報告されました。
【1】循環型社会形成推進基本計画とは
循環型社会形成推進基本計画は、循環型社会形成推進基本法に基づき、循環型社会の形成に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るために定められるものです。
【2】第三次循環型社会形成推進基本計画のポイント
最終処分量の削減など、これまで進展した廃棄物の量に着目した施策に加え、循環の質にも着目し、
・リサイクルに比べ取組が遅れているリデュース・リユースの取組強化
・有用金属の回収
・安心・安全の取組強化
・3R国際協力の推進
等が新たな政策の柱とされました。
出所:環境省ホームページ「第三次循環型社会形成推進基本計画の(概要)」
【3】第2回点検結果の概要
【3-1】物質フロー指標
出所:第三次循環型社会形成推進基本計画の進捗状況の第2回点検結果の概要
【3-2】今後の展開の方向
●物質フロー指数より
- 一般廃棄物の減量化は横ばい傾向
⇒生ごみ削減、食品ロス削減、ごみ有料化の推進等を図る必要 - 循環型社会に関する意識と行動が減少傾向
⇒行動に至るような効果的な発信、循環資源フローの情報提供、見える化等が必要 - 循環型社会ビジネス市場規模がH12年比1.1倍
⇒2Rの取り組み、リサイクルの徹底を進める事が必要
●2Rの取り組みを推進するために消費者ライフスタイルの変革、社会経済システムの導入、健全なリユース市場の形成などの取り組みへの目標設定が必要
●リサイクルの徹底に向けて
- 一般廃棄物:紙類・生ごみ・プラスチック等の再生利用推進
家電製品などの回収体制構築が必要 - 産業廃棄物:再生材の新規用途への利用促進
地域間での需要調整のための取り組みが必要
●環境配慮設計、循環資源を原料として用いた製品の需要拡大を図り、製造事業者とリサイクル事業者間で有用金属含有情報の共有化に取り組む事が必要
●ノウハウを有する主体をコーディネーター化し、取り組みやノウハウを共有する事が必要
●有害廃棄物の不法輸出入に対する対策強化、循環資源の国際的な移動の円滑化(輸出入手続きの迅速化など)が必要
●持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向け、資源生産性の向上、持続可能な消費と生産への取り組み、天然資源の持続可能な管理と効率的利用、食品廃棄物の削減等を進める事が必要
【参考資料】
環境省ホームページ
第三次循環型社会形成推進基本計画の進捗状況の第2回点検結果について (お知らせ)
第三次循環型社会形成推進基本計画(平成25年5月31日閣議決定)
第三次循環型社会形成推進基本計画(案)のポイント
この記事は
DOWAエコシステム 環境ソリューション室
上田 が担当しました