「平成27年度の再生可能エネルギーの固定価格買取制度の価格が発表されました
■再生可能エネルギーの固定価格買取制度の調達価格
「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」(以下、「法律」という)第3条第5項に基づき、今年度(平成27年度)の調達価格及び調達期間が発表され4月1日より適用が始まりました。
平成26年度からの変更点は、前回に引き続き太陽光発電の買取価格が減額されたこと、またバイオマス発電の買取価格一部が新設されたことです。
種別 | 発電規模他 | 期間 | 買取価格※1(税別) | |||
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平成 26年度 |
平成27年度 | |||||
太陽光発電 | 10kW以上 | 20年 | 32円 | 4/1〜 6/30 |
7/1〜 | |
29円 | 27円 | |||||
10kW未満 | 出力制限対応機器設置義務あり | 10年 | 37円 | 33円 | ||
10kW未満 | 出力制限対応機器設置義務なし※2 | 10年 | 35円 | |||
風力発電 | 20kW以上 | 20年 | 22円 | → | ||
20kW未満 | 20年 | 55円 | → | |||
洋上風力発電 | 20年 | 36円 | → | |||
水力発電 | 1,000kW以上 30,000kW未満 | 20年 | 24円 | → | ||
200kW以上 10,000kW未満 | 20年 | 29円 | → | |||
200kW未満 | 20年 | 25円 | → | |||
水力発電 (既設導水路活用中小水力) |
1,000kW以上 30,000kW未満 | 20年 | 14円 | → | ||
200kW以上 10,000kW未満 | 20年 | 21円 | → | |||
200kW未満 | 20年 | 25円 | → | |||
地熱発電 | 15,000kW以上 | 15年 | 26円 | → | ||
15,000kW未満 | 15年 | 40円 | → | |||
バイオマス発電 | メタン発酵・ガス (バイオマス由来) |
20年 | 39円 | → | ||
未利用由来の木質バイオマス | 2,000kW以上 | 20年 | 32円 | → | ||
2,000kW未満 | 40円 | |||||
一般木質バイオマス・農作物残さ | 20年 | 24円 | → | |||
建設資材廃棄物 | 20年 | 13円 | → | |||
一般廃棄物 その他のバイオマス | 20年 | 17円 | → |
(→:変更なし)
※1:買取価格:1kW時の単価
※2:北海道電力、東北電力、北陸電力、中国電力、四国電力、九州電力、沖縄電力の需給制御に係る区域において、平成27年4月1日以降に接続契約申込みが受領された発電設備は、出力制御対応機器の設置が義務づけられ、これに該当する発電設備については、「出力制御対応機器設置義務あり」の調達価格を適用する。設置が義務づけられていない場合には、仮に出力制御対応機器を設置したとしても、「出力制御対応機器設置義務なし」の調達価格を適用する。
①太陽光発電
太陽光発電の買取価格は、住宅用、非住宅用ともに減額されました。また、買取価格の減額が2段階に分けて引き下げられることになりました。2段階の減額となった理由は、平成24年7月に開始された本制度が、「開始3年間の買取価格は事業者に特に配慮すること」が定められており、満3年となる7月より、更に減額した価格に変更されるためです。
②バイオマス発電を規模別に区分
太陽光と併せて買取価格が変更となったバイオマス発電は、小規模な設備を優遇する価格設定となりました。大規模なバイオマス発電は燃料となる未利用木材の安定的確保が難しいことが普及にブレーキをかけている要因とされています。一方、小規模なバイオマス発電では、燃料の確保という面で優位ですが、発電開始後の燃料費の割合が他の再生可能エネルギー電源に比べて非常に大きいため、やはり十分に普及していません。そのため、資金面から取り組みやすく、また、再生エネルギー発電による地域の活性化や資源活用など多様な効果が期待できる小規模バイオマスの買取価格を設定し、普及の後押しをすることになったためです。
【参考資料】
経済産業省 資源エネルギー庁
「再生可能エネルギーの平成27年度の買取価格・賦課金を決定しました」(平成27年3月19日)
この記事は
イー・アンド・イー ソリューションズ
鈴木 が担当しました