廃棄物情報の提供に関するガイドライン(第2版)の公開について
環境省は、産業廃棄物排出事業者が処理業者に処理を委託する際に、どのような廃棄物に関する情報を提供すべきかを示す「廃棄物情報の提供に関するガイドライン」を平成18年度から公開しています。そこには排出事業者から処理業者への廃棄物情報の提供書類としての「廃棄物データシート(略称:WDS)」が含まれています。
このたび、排出事業者から処理業者への廃棄物情報の伝達をさらに具体化、明確化する目的で、廃棄物情報の提供に関するガイドラインおよび廃棄物データシートが改正されました。
廃棄物データシートは、廃棄物処理法の定める、排出事業者による委託産業廃棄物の性状等に関する情報提供を目的とするものです。排出事業者の責任において、処理業者と十分に協議して記載し、両者が内容を確認する必要があります。
改正の概要
排出事業者から処理業者へ情報提供すべき項目が追加になりました(廃棄物データシートへの項目追加)。
- PRTR対象物質に関して、対象事業所であるか否か、委託する産業廃棄物が該当するか否か、第1種指定化学物質に該当する場合にはその物質名を記載することになりました。PRTR対象物質については、経済産業省ウェブサイトに掲載されています。適宜見直しされますので、定期的に確認するようにしましょう。 経済産業省(化学物質排出把握管理促進法ウェブサイト)
- 水道水源における消毒副生成物前駆物質に関するチェックリストが追加されました。
ホルムアルデヒドを生成しやすい物質として、ヘキサメチレンテトラミン(HMT)、1,1-ジメチルヒドラジン(DMH)、N,N-ジメチルアニリン(DMAN)、トリメチルアミン(TMA)、テトラメチルエチレンジアミン(TMED)、N,N-ジメチルエチルアミン(DMEA)、ジメチルアミノエタノール(DMAE)、1,1-ジメチルグアニジン(DMGu)を含むと考えられる場合には、チェックすることとなりました。 - 関連法規に関する情報提供欄が追加されました。
MSDS(化学物質安全性データシート)等を参考にして、以下の法令に該当する物質かどうか記載することとなりました。- 消防法に定める危険物
- 特定化学物質障害予防規則に定める特定化学物質
- 労働安全衛生法施行令に定める有機溶剤
- 毒物及び劇物取締法に定める毒物及び劇物
- 悪臭防止法に定める特定悪臭物質
- 排出業者と処理業者の双方向コミュニケーションの重要性が強調されました。
具体的にコミュニケーションを行う例として、以下の項目が挙げられています。- 避けるべき処理方法、安全のために採用すべき処理方法
- 他の廃棄物との混合禁止
- 粉じん爆発の可能性
- 容器腐蝕性の可能性
- 廃棄物の性状変化などに起因する環境汚染の可能性
- 環境中に放出された後の支障発生の可能性
- 汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリの4品目について、含有成分や有害性が外観から把握しにくいことから、廃棄物データシートの活用が特に必要とされる旨が明記されました。また、廃棄製品等の処理にあたっては、廃棄物データシート以外の情報提供についてもガイドラインに記載されました。
- 廃棄物情報の提供時期について、見積時から廃棄物データシートを使って排出事業者から情報提供をし、排出事業者と処理業者の双方が確認、署名して、契約書に添付すべき旨が明記されました。
DOWAエコシステムグループでは、このガイドラインのWDSをより強化したWSDS(Waste Safety Data Sheet)フォーマットを運用しています。これらのデータはDONUTSシステムの主要データとして、収集運搬~中間処理~最終処分の過程で利用され、適正な処理とその過程での環境・安全の確保に役立てられています。
【参考資料】
環境省ホームページ
廃棄物情報の提供に関するガイドライン(第2版)について(お知らせ)
(平成25年6月6日)
廃棄物情報の提供に関するガイドライン
【関連ページ】
この記事は
エコシステム千葉株式会社
小野寺 が担当しました