平成25年度の再生可能エネルギーの固定買取価格が発表されました
電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(以下、「法律」という)第3条第5項の規定に基づき、平成25年度調達価格及び調達期間が発表されました。
■調達価格変更の変更点
今回発表された調達価格は以下の通りです。平成24年度と比較すると、調達価格で変更があったのは、太陽光発電の調達価格のみとなりました。
図 平成25年度 再生可能エネルギー固定買取価格
■調達価格変更の主要な根拠
調達価格の決定に際しては、事業継続性や設備費用など多方面の検討が行われます。今回、法律に基づき義務的に報告された設備に関するデータの分析より、平成24年度の太陽光発電では1,000kW以上の設備平均費用を32.5万円/kWとしていましたが、法律で収集された情報より平成24年10-12月期では、同平均費用は、28.0万円/kWまで下落した状況となっていました。これは、市場の創造などによりパネルの調達コストが下がったことなどが要因です。
このような設備価格の下落が引き続き継続するとした場合、平成25年度後半には、10kW以上の平均コストも1,000kW以上の平均価格に近辺になると予想されたことをうけて、総合的判断として調達価格は減額されることになりました。
■再生可能エネルギーの今後の展開 ~洋上風力発電~
東日本大震災をきっかけに抜本的な見直しが必要となった日本のエネルギー政策において、非常に重要な位置を占めるようになった再生可能エネルギーですが、とくに風力発電はその発電量の拡大が期待されています。
中でも海に囲まれた日本において「洋上風力発電」の発電ポテンシャルは大きく、現在、国内の複数個所で、洋上風力発電における国の実証事業などが行われている状況です。
現時点でも、洋上風力発電は、風力発電の“風力(20kW以上)”の区分として買取りが可能です。しかし、通常、洋上風力発電の事業費用は、陸上のそれと比較した場合、高額となる傾向であり、陸上の風力発電をベースに算定された現在の調達価格では事業の採算に合いません。
そのため、陸上風力発電とは別に調達価格を設定するための取組みが経済産業省や環境省で行われています。具体的には、発電設備の設置に係る各種費用の算出や、環境影響評価の手法の検討などです。
法律では電力の調達価格は「効率的に実施される場合に通常要すると認められる費用」とされており、その判断に必要な量の情報収集、及びその検討が今後行われ、それらを経て新たな調達価格が決定されることになります。
【参考資料】
経済産業省 資源エネルギー庁
再生可能エネルギーの固定価格買取制度
この記事は
イー・アンド・イー ソリューションズ
鈴木 が担当しました