レ・シルフィード
こんにちは、編集長の上田です。
6月にバレエの発表会に出ました。演目は、レ・シルフィード※。
レ・シルフィードは、教室の生徒にはとても人気のある演目で、発表会に出るか悩んでいた人も、「レ・シルフィードなら発表会に出る」と即答する程、人気があります。
私は、小4から中3までモダンバレエを習っていました。
小4で習い始めるというのは、バレエではとても遅いタイミングで、すでに上手な同級生・年下の子たちに混ざって、ぶざまな動きしかできない自分が、とても情けなく、レッスンが楽しいとは思えませんでした。それでも素敵な上級生にあこがれて続けたものの、少し上手になった高1の時、部活との両立ができずに辞めてしまいました。
それから年は過ぎ、運動不足で肩腰背中が痛くなり、マッサージに行っても良くならず、何か運動しなければ…とヨガにピラティス、テニスなどをやってみた結果、馴染みのあるバレエを始める事にしました。
と言っても週に1回しかないレッスンを、繁忙期には2か月休むなど、まじめに通っているとは言えない状況ではありますが、バレエを再開して、もうすぐ5年になります。
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さて、発表会のレ・シルフィード。ショパンのピアノ曲に合わせて、森の中で森の精と詩人が踊り明かすという内容です。1907年に初演された作品で、衣装のロマンティックチュチュが、ふんわりとロマンティックな雰囲気を盛り上げます。
そんなロマンティックなレ・シルフィード。私は、コールドという、主役ではない、その他大勢の踊り手(脇役)でしたが、発表会の準備はとても大変でした。
(コールド:「corps de ballet」バレエの群舞(フランス語))
大変だったのは、主に以下の2点です。
- 舞台上にいる時間が長い
- 15人で揃って動かなければいけない
レ・シルフィードの公演時間は、約30分あります。コールドは常に動き続ける訳ではないものの、30分の振りを覚えなければいけません。また、その他大勢の「群衆」ですので、そろって動かなければいけません。下手をすると、主役(バレエ教室のトップ)の踊りを台無しにしてしまう可能性もあります。それは避けなければ!(冷汗)
発表会の半年前からは昼休みや移動時間など隙間時間を見つけてDVDを見る生活が始まりました。まるで受験生のようでした。
ここで得た教訓は、文字化する事の重要性です。
バレエの動きは、パと呼ばれ、それぞれの動作に名前が付いています。普段のレッスンでも、「パッセ→パッセ→トンペ→パドブレ→グリッサード→パデシャ」と振りを言葉で指示されますが、私はちゃんと覚えていませんでした。体を動かすことに精いっぱいで、パの名称まで覚えられないと思っていましたが、実は、パの名称を覚えることが近道でした。
バレエの振りを覚える際、振りを文字にして書いて見返さないと、長時間の動きを記憶する事はできません。見よう見まねで、右手をパタパタ、足を変えて、左手を上に~ などとメモっても、その時はわかっても、後から見返した時に何の事だかわかりません。
パは、少しの違いでも違う名前が付いていて、覚えるのが面倒なのですが、それが実はミソで、その時にすべき事を一言で表現できるようになっています。
例えばアラベスクとは、片足を後ろにあげて片足で立つポーズですが、これに1番から4番までの番号が付いています。2本の足と2本の腕を伸ばす方向によって、2パターン×2パターン=4通り、さらに舞台の右を向くか左を向くかで、上げる腕と足が変わりますので、パターンはさらに倍になります。と、聞くとややこしいですが、舞台の上手に向かって3番アラベスク、と言われると、取るべきポーズがわかる、優れものです。
こうした事を鑑みると、仕事でも作業を文章化するのは重要なのだという事に改めて気づきます。文章化する事で、頭を整理する事も出来ますし、推敲(改善)する事も、共有化もできる様になります。
そして、ワークライフバランスという事も考えさせられます。今まで(今も?)仕事人間で、仕事中心の人生で何が悪い!仕事上等!と思っていましたが、保育園のお迎え時間によって帰宅時間が決められた事で、限られた時間の中でパフォーマンスを出せるよう、計画を立て、集中して取り組む様になりました。さらに習い事を通じても、仕事への示唆があり、結果的に仕事にフィードバックする事があるのも嬉しい事でした。
とはいえ、毎日、必死に仕事をして、子供の相手をして、あっという間に年月がたってしまいますが、少しづつ、何かは自分の糧になっていると信じたい今日この頃です。
※)1832年に初演のラ・シルフィード という作品もあり、とても紛らわしいですが、こちらは女1人、男2人の3角関係に妖精が加わる恋愛物語です。
この記事は
DOWAエコシステム 環境ソリューション室
上田 が担当しました