海外への工場移転時の注意ポイント
海外、特に東南アジア諸国では環境関連法規が未整備である場合が多々見られます。
また、法規・基準が定められていても、調査等の手法が確立しておらずあとになって問題が発生するケースが見受けられます。
東南アジアを中心とした海外への工場移転時における、土壌汚染関連の注意点を挙げます。
■海外で土壌汚染対策の法律がない国に移転することになった。
土壌汚染の法律には、「無過失責任、遡及責任、連帯責任」という近代以降の法律では一般的にあり得ない要素が含まれています。つまり、法がなくても後で責任が遡及され、無過失責任を負う可能性がある、また場合によっては土地の所有者ということだけで(連帯)責任を負うこともあるということです。
売買契約時に土壌汚染の瑕疵は負わないという文言を入れて責任を負わない方法がありますが、汚染者負担の原則を謳う法律や、土地の所有者も責任を負う法律が制定された場合、裁判になったら必ず勝てる保障はありません。
だから、法が無くても土壌調査・地下水調査をやっておいた方がよいのです。これは閉鎖する場合も然りです。
■法律がない国でどのようなスペックでやったら良いのか。
一言でいうと、第三者が見て妥当性がある内容で調査を実施し、報告書を作成するということです。日本の土壌汚染対策法に則って海外で調査を実施することは社内管理的には意味をなします。しかし、調査結果をその国で今後も役に立つようにするには、一般的なグローバル基準となっているやり方で行うことが望ましいと考えます。
■海外の調査を業者に委託したが以下の理由で困難だった:サンプリング地点の選定の意味が不明、分析時間がかかる、分析結果しか添付されない、日本語対応が難しい。
DOWAエコシステムとイー・アンド・イーソリューションズでは、経験豊富な調査スタッフが海外のネットワークを用いて、地域の実情に合わせた調査をグローバルに通用する高い水準で調査を実施することが可能です。
特にDOWAエコシステムの海外拠点がある地域では、土壌調査の専門家が駐在していますから(中国、台湾、タイ、シンガポール、インドネシア)、出張ベースでなくても現地で日本語対応が可能です。分析ラボラトリーも、インドネシアやタイで保有しています。その他の地域でも分析機関との豊富なネットワークにより、緻密な対応が可能です。
この記事は
DOWAエコシステム ジオテック事業部
小泉 が担当しました