現場安全衛生計画における作業ゾーンについて
汚染土壌の対策工事を行う場合や、埋設廃棄物の掘削除去工事を行う場合、今まで地中に埋まっていた有害物質を一旦露出させざるを得ないケースがあります。また、アスベスト対策工事や焼却炉解体工事などでは、有害物質を除去する過程で有害物質が飛散しやすい状況にせざるをえないケースもあります。
その際には、有害物質による作業者の健康被害防止や、有害物質の飛散による汚染拡散防止を行なう必要があります。
そのために、以下の対策を行ないます。
- ①有害物質による作業者の健康被害防止
- ①-1作業員の曝露防止(作業着・マスクなど)
- ①-2作業環境の測定(モニタリング)
- ②有害物質の飛散による汚染拡散防止
- ②-1作業ゾーンの設定
- ②-2作業エリアからの飛散防止
- ・作業テントの設置、作業エリアのシート敷
- ・場内排水、湧出水の管理
- ・作業ゾーンで使用した機器・保護具・車両等の除染
今回は、健康被害防止、汚染拡散防止に必要な、作業ゾーンの設定についてご説明します。
作業ゾーンとは、危険度に応じて区分されたエリアのことです。危険度の高い順から、①立入り制限ゾーン、②汚染低減ゾーン、③支援ゾーンに分けられます。以下に、その区分の考え方を紹介します。
①立入り制限ゾーン
「汚染が生じている、あるいは生じる可能性のあるエリア」
- このゾーンで作業する者は適切な安全保護具を使用しなければならない。
- 出入管理地点で、作業者の出入りを管理する。
②汚染低減ゾーン
「汚染を広げないためのエリア」
- 立入り制限ゾーンと支援ゾーンとを行き来する際の、作業者や使用器具の除染(呼吸保護具、保護めがね、防音保護具、防護手袋、安全靴、防護服の脱、および洗浄)を行う。
③支援ゾーン
「非汚染エリア」
- 支援ゾーンでは通常の作業着で作業できる。
- 支援ゾーンでは、以下の作業を行なう。
- 作業全体の指揮及び命令
- 緊急時には、適切な組織への連絡
- 緊急医療
- 保護具及びサンプリング器具の供給及びメンテナンス
- 現場における分析
- 支援ゾーンは風上に設置する。
作業ゾーンの広さや境界線間の距離を決めるには、様々な要因を考慮して決定します。
- 現場の物理的、地理的特徴、天候
- 大気汚染物質の現場での測定値、大気拡散計算
- 爆発及び飛散の可能性、火災の可能性
- 有害物質の毒性
- 汚染場所の広さ
- 作業に必要な広さ
- 除染規定
この記事は
ジオテクノス株式会社
土肥 が担当しました