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廃液のサンプル容器としてペットボトルを使ってもいいですか?

Q:廃液のサンプルを処理業者に渡したいのですが、ペットボトルに入れて渡してもいいですか?

A:

ペットボトルは強酸・強アルカリともに耐性を持っていないため、安全や漏洩対策の観点からサンプル容器としての使用はお控えください。

■廃棄物のサンプルを入れる容器について

廃棄物を搬出する際に使用する容器に注意が必要なのと同様に、廃棄物のサンプルを入れる容器も適切なものを使用することが重要です。不適切な容器を使用すると、漏洩し人的な危害につながる恐れがあります。

樹脂製の容器の場合には写真のような試薬用ボトル(中ふた付き)がよく使われています。また、ガラス製の瓶を使用するケースもあります。

例①:廃アルカリ


樹脂製容器

pHが高いことで容器を傷めてしまう場合がありますので、PVC(ポリ塩化ビニル)、PE(ポリエチレン)などアルカリに強い容器をご選定ください。
また、ガラスは強アルカリに弱いので、ガラス瓶は使用をお控えください。

例②:廃酸

樹脂容器は酸に強いものが多いですが、塩酸の容器としてPS(ポリスチレン)は適さない等、廃液の成分によって向かないものがありますので、その点を踏まえて容器をご選定ください。

例③:有機溶剤


ガラス製容器

有機溶剤で樹脂製の容器が溶ける場合があります。廃液にベンゼンが含まれている場合はPE(ポリエチレン)容器を避ける等、素材ごとの耐薬性データなどを参考にご判断ください。

(出典)プラスチックの種類(一般社団法人プラスチック循環利用協会)

樹脂の種類ごとの耐油性、耐溶剤性、耐薬性データはプラスチック製品の製造各社が公開しています。
※表内では、PETは「薬品にも強い」と記載されておりますが、PETボトルは飲料用であり、耐薬性を持たせた作りにはなっていないので、サンプル容器としての使用はお控えください。

■取り扱い上の注意事項

・蓋からの漏洩防止対策

蓋の隙間からの漏洩も考えられますので、蓋はしっかり閉めてください。
閉めた蓋の上からビニールテープを巻くと蓋がずれるのを防止できます。

容器はそのまま蓋を閉めることで密閉できるように作られているため、ビニールテープは蓋の下(口部)に巻かず上からのご使用をお願いします。

・容器表面への廃棄物付着について

容器表面に廃棄物が付着しないようご注意ください。サンプル容器にサンプルを移し入れる際にこぼれるなどして容器表面に廃棄物が付着してしまうケースがあります。
廃棄物が表面に付着した際にはふき取っていただくなどのご対応をお願いいたします。

■さいごに

廃棄物を適切に処理ができるかどうかの確認や、処理にかかる費用の算定のために、廃棄物情報の提供に加えてサンプル提供をお願いしています。
安全にお取引させていただくためにも、サンプル容器の選定や取り扱いにはご注意いただければと思います。

一方で、例えば危険物第5類の自己反応性物質など、サンプル採取作業やサンプルの輸送に危険が伴う場合や、廃製品や廃試薬など事前の情報のみで処理の可否を判断できる場合にはサンプルをいただかないケースもあります。サンプルの必要性の有無はケースバイケースですので、ご判断に迷われた場合には担当営業へご確認ください。


この記事は
DOWAエコシステム 環境ソリューション室
後藤 が担当しました

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