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リスクのクスリ

中国での環境意識の高まりへの対応

Q.中国で環境意識が高まっていると聞きますが、どう対応したらよいのでしょうか。

A.

最近、中国で日系企業が利用する予定だった排水路の建設に地元住民が反対するというニュースが、日中両方のメディアで大きく報道されました。今回は、このニュースの背景について考えてみたいと思います。

一般論として、外資系企業に対して厳しい目が向けられるのは、中国に限らず、日本でも、その他の諸外国でも変わりはないと思われます。その上で、この1年ほどの中国におけるニュースを振り返ってみると、大連では化学工場の操業停止と移転、四川省では金属工場の建設を中止といったことを、いずれも住民の力によって政府に決定させたという出来事が報道されました。

これらはいずれも、外資系企業とは関係ありません。冒頭のニュースも、中国における市民の環境に対する権利意識が高まっていることの表れと見るべきだと思われます。

そしてこのことは、企業が対政府だけを意識するのではなく、市民の目も意識することの必要性、すなわちCSR経営という、日本ではすっかりお馴染みになった概念を、中国でも展開することが必要になったということを意味しています。

一般に日本企業は、海外においても法律をきっちり守ろうという意識を高く持っていますが、一方で法律に決まっていないことに対しては、取り組みのレベルも様々です。

環境面では、例えば、土壌汚染に関しては中国でまだ法律が制定されていませんが、自主的に調査を実施するお客様が最近かなり増えてきました。
調査の多くは、これから建設する工場用地に汚染がないことを確認するためのものです。

今後はそれに加えて、CSRの観点から、汚染によって外部に迷惑をかけないことを確認するための調査も必要であることを強調したいと思います。環境汚染の中でも、大気や水質のように、直接的な排出を規制されるものは、目に見える形で対応することが可能です。一方、土壌汚染は必ずしも発生させたこと自体で罰せられる訳ではありません。日本でも法律上は、工場廃止時などの契機に調査を実施すればよいことになっています。

しかしながら、現実の土壌汚染は、知らず知らずのうちに浸透し、人の健康被害を引き起こしてしまうことがあります。法律を守っているだけでは、そのような被害を防止することはできません。そのために、法律の枠組みを越えて、自社の活動とステークホルダーとの関係を客観的に分析し、起こりうる被害を未然に防ぐ取り組みが望まれるのです。

参考までに、IBMが全世界の事業所に地下水観測井戸を設けたのは、1970年代、アメリカでスーパーファンド法が制定されるよりも前のことだそうです。また、日本を代表する電器メーカーから、アジア各国における土壌汚染対応についてご相談をいただいたのは、今から9年前のことでした。

DOWAグループ自身も、「CSR経営のグローバル展開」を掲げて、環境事業のアジア展開と、各拠点における様々な活動を実施しています。


この記事は
蘇州同和環保工程有限公司
西山 が担当しました

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