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タイ王国とタイの環境問題(1) ~タイの環境問題~

「タイ」からのレポートをお届けします。
タイの文化や、環境問題、廃棄物処理の現状などをレポートしています。

■タイ王国について

タイ王国(以下タイ)は日本からおよそ4,500km、7時間のフライト(日本との時差はマイナス2時間)で到着する熱帯の国です。
地理的にはインドシナ半島の中心に位置し、チャオプラヤー河流域の肥沃なデルタ地帯を有する世界有数の稲作国ですが、北部山岳地帯から南部地峡地帯までがおよそ1,500kmと長く、変化に富んだ国土でもあります。面積は514,000km2と日本の約1.4倍の広さの国土に、およそ7,000万人の人々が暮らしております。

タイは熱心な仏教徒の国としても知られており、街中で僧侶に捧げ物をする風景(托鉢)や寺院などでお祈りをしている人がよく見かけられます。
特に、男性は一生に一度は出家をし、両親のために功徳を積むことが大きな親孝行であるとされています。
また、タイは立憲君主制の国ですが、長い歴史をもつ王室は非常に尊敬されており、プミポン・アドゥンヤデート国王は地方振興などに力を入れてきたこともあり国民からの絶大な支持を集めています。

 

このように、タイの人々は仏教と王室を尊敬する慎み深い面がある一方で、南国ゆえか陽気で明るい人も多く、タイ人気質を表す言葉として「マイ・ペン・ライ(問題ない/大丈夫)」という言葉がよく使われます。
また、とかく辛いというイメージのあるタイ料理ですが、意外にも辛くないメニューも多く(辛いものはトコトン辛いですが)、米食主体ということで日本人にも馴染みやすい料理であるとも言えます。

■タイの環境問題

東南アジアの優等生として工業化・経済成長に成功してきたタイですが、バンコク圏を中心に大気汚染や水質汚濁、ゴミ問題などの公害問題が発生しています。
バンコクにおける自動車やバイクからの排ガスによる大気汚染は、一時期は世界最悪レベルとも言われていました。
現在では、規制の強化や公共交通機関網の整備、天然ガス自動車の普及などにより以前よりは改善されつつありますが未だ解決には至っておらず、街中でマスクを着用している人も依然見かけられます。
また、バンコク市内を流れるチャオプラヤー河の水質汚濁も深刻であり、流域の工場からの不適切な排水や下水道の整備の遅れなどが原因であると考えられています。

さらに、東部ラヨーン県のマプタプット工業団地には石油化学系のコンビナートが集積しており、以前より大気汚染による健康被害が地元住民から指摘されてきました。
2009年には、地元住民と環境NGOがマプタプット工業団地における新規建設投資プロジェクトの差し止めを求める裁判を起こし、これを最高裁が認めたために産業界に衝撃が広がりました。
現在ではこの問題に対応するための法律上の手続き(影響評価)の再整備が行われており、一部プロジェクトに関しては既に差し止めは解除されています。
しかしながら、この問題が外資系企業サイドに与えたインパクトは大きく、同時にタイにおいても環境対策が経営上の大きな課題・リスクになりつつあるということが改めて明らかになった事例でもあります。

また、地球温暖化などよりグローバルな環境問題に関しても各種啓蒙キャンペーンが行われており、市民の関心も高まりつつあります。
一例として、タイ政府もエコカー普及政策を取っており、国を挙げて自動車生産拠点としての地位を引き続き維持していこうという意気込みも感じられます。
一方で、ショッピングセンターなどではエコバックの使用を訴えるポスターも見かけられますが、実際にどこまで普及しているかは未知数です。

最後に、ゴミの問題です。
まず、一般の家庭から発生する都市ゴミに関してですが、こちらも経済成長に伴い発生量が増加しており、それに対する回収・処理能力が追いついていないために地方部などでは発生した都市ゴミの内の大半は野焼きや不法投棄など不適切に処理されているとの報告もあります。
加えて、処理コストの問題から焼却を伴わない直接埋立て方式による処理が未だに主流であり、最終処分場の残容量や処分場周辺での臭気などの問題が存在しています。
また、排出時のゴミの分別制度も確立されておらず、自主的な廃品回収活動や路上のゴミ収集場などでの私的な分別抜き取りなどにより結果として再資源化が達成されているのが現状です。
使用済み電池や蛍光灯などの有害廃棄物もその他のゴミと混ぜて排出されているケースが多いことも懸念されます。
一部の生ゴミに関しては堆肥化(コンポスティング)も行われています。

 

分別ゴミ箱のように見えますが色に特に意味はなく、タイ人曰く、どの箱に何を入れてもマイペンライ(問題ない)だそうです。
ゴミ箱にタイ語で「ポイ捨ては罰金2,000バーツ」と書いてありますが、ポイ捨ての取締りは見たことはありません。

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