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タイ王国 前国王陛下の弔問において

正月早々から恐縮ですが、弔問に行ってまいりました。

12月の初旬、タイへ行ってきました。
今回の目的は、昨年10月に崩御されたプミポン前国王陛下の弔問に行くことでした。
私は2013年から3年間タイに赴任していましたが、その間にも政情不安や軍事クーデターがありました。それでも最悪の事態にならなかったのは、やはりプミポン前国王陛下が国民の心の支えになっていたからであり、赴任期間を平穏に過ごすことが出来たお礼とお別れがしたかったので王宮へ伺いました。

無料ボランティアの交通機関を使って朝の8時30分に王宮に到着すると、既に多くの一般弔問者で長蛇の列が出来ていました。列に加わり少しずつ進みながら、1時間程度でテント張りの待合エリアに到着し、数百人の集団ごとに椅子に座らされました。
ここで弔問の順番を待ちますが、途中に何回か儀式であって一般弔問が止められるので、順番はなかなか回って来ません。結果として、日中のほとんどをこの待合エリアで過ごし、弔問は午後5時前にすることが出来ました。

待合エリアに向かい、整然と並んで進みます。

待合エリアでは、多くの弔問者がじっと待っています。テントの下、扇風機は回っていますがほとんど風は来ませんでした。

冬とはいえ30度近い気温の中、人々は設置されたモニターに映る前国王陛下の映像を見たり、おしゃべりをしたりして待っています。しかしながら、待っているだけでも汗をかいて喉も渇くしお腹も減ってくるので、私はだんだん不安になりました。

しかし、そんな心配を払拭するように、軍、ボーイ・ガールスカウト、地方コミュニティや企業のボランティアが次々にやってきて、水などの飲料や食事、お菓子を配っていきます。また、看護師や看護学生が、体調の悪くなった人への呼びかけや、ハッカ油を染ませた綿や冷えたウエットティッシュを渡してくれます。待っている人同士も融通しあって、隣の通路で配っているものも手渡しで回ってきます。

私の場合、周りに座ったタイの人たちが「日本人にはじっとしていても暑いだろう」と、飲み物が来るたびに取って渡してくれたおかげで、熱中症になることもなく待つことが出来ました。

並び始めた時から、水やお菓子などを配るボランティアが回ってきました。

左上:
待っている間に食べた朝食(インスタント焼きそば)
右上:
昼食(タイでは定番の炒めた豚肉ともち米)
左下:
食後のつまみ(おすそ分けしてくれたおばちゃんによれば「新国王陛下」が配っていた(!)チキン)
右下:
デザート(アイスクリーム)

これだけ多くの人が集まり、いろいろな物資が配給され消費されると、当然ながら大量のごみが発生します。私も「このままではごみだらけになるのでは?」と思ったのですが、それもまったくの杞憂でした。

物資を配布するボランティアと同じように、待合エリアでは多くのゴミ回収のボランティアが、忙しそうに巡回していました。彼らは基本的にごみ袋を持った3人が一組になっていて、別にごみを受け取るスタッフがついている場合もありました。
袋を持った3人は、それぞれ「一般ごみ(青色)」「生ごみ(緑色)」「リサイクルごみ(黄色)」とタイ語と英語で書かれたプレートを胸に下げていて、人々から渡されるごみをてきぱきとそれぞれの袋へ入れていきます。

タイではまだ、「ごみはなんでも一緒に捨てる」場合も多く、たまたま近くへ来た袋にごみを入れようとしてスタッフに止められる人や、混在したごみを受け取ったスタッフが分別してそれぞれの袋へ入れる光景も見受けられました。

ごみ回収のボランティア
右から一般ごみ、生ごみ、リサイクルごみの担当者。
彼らは忙しくどんどん進み、動き続けるのでプレートが裏返しになっていることも多く、うまく撮影できませんでした。

DOWAエコシステムではタイでの環境事業として、廃棄物処理やリサイクル業務を行っています。タイ赴任時にこれらの事業に携わった一人として、このような活動が浸透している光景を目にして、感心するとともに嬉しくなりました。

最後に長蛇の列といえばお手洗いですが、このように移動トイレ車がずらりと並んでいました。エリアで男女別に別れています。

赴任していたのでよく知っているつもりでしたが、前国王陛下がいかに国民から敬愛される存在であったのかを、あらためて実感することが出来ました。
また、多くの国民が最後のお別れを円滑かつ厳粛に行えるように、国を挙げて様々な配慮がされていたことも非常に印象に残りました。


石津 この記事は
イー・アンド・イー ソリューションズ
石津 が担当しました

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