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インドネシア事情 −その1

DOWAエコシステムは2009年2月、東南アジアの廃棄物処理会社であるModern Asia Environmental Holdings, Inc.(以下 MAEH社)の発行済株式を100%取得し、アジアでの環境リサイクル事業の拡大を図っています。

MAEH社は、東南アジア3カ国で廃棄物処理事業を展開しています。インドネシアでは、最終処理施設や廃油・廃液処理施設などを保有し、廃棄物処理事業、燃料再生事業、土壌・施設浄化事業などを行っています。

そこで、今回から3回に渡って海外事情は、MAEHインドネシアの在駐レポートをお届けします。

今回のレポートは、その1回目としてインドネシアの近況をお届けします。

■まず、インドネシアってどんな国なのでしょうか?

インドネシアは人口約2億3000万人(日本のおよそ2倍)、面積は約190万m2(日本のおよそ5倍)、大小合わせて約17,000の島々からなる群島国家で、かつ27種族に大別されるとおり多民族国家であることが特徴的な国です。
また世界最大のイスラム教徒を擁していますが、国是として世俗主義を掲げています。

■「世俗主義」は政教分離のことですね。そういえばバリ島はヒンドゥー教。

イスラム教の他、キリスト教、ヒンドゥー教、仏教が信仰されています。バリ島はおっしゃるとおりヒンドゥー教で、インドネシアの中でも異文化の印象があります。また、有名なボロブドゥール遺跡は仏教遺跡。8~9世紀のはるか古代のロマンが広がっています。
インドネシアは赤道を挟む広大な国で、いわゆる常夏の国です。気候は雨季と乾季に分かれ、観光のベストシーズンは乾期で5~10月になります。リフレッシュを兼ねて皆さん、ぜひお越しください。

■政治的には安定しているのですか。

インドネシアでは2004年、初めての直接投票による大統領選挙が行われ、スシロ・バンバン・ユドヨノ大統領が第六代大統領に選出されました。そのユドヨノ大統領は今年の7月、国民からの高い支持に後押しされる形で再選され、10月からその2期目が始まろうとしています。私はその直接選挙を目の当たりにする機会に恵まれましたが、大きな混乱もなく民主的に投票が行われました。ちなみに選挙は平日に実施され、その日はなんと、お休みです!

■経済的にはどんな様子ですか?

2008年度におけるGDPは5,088億ドル(2004年度は2,576億ドル)、一人あたりGDPは2,191ドル(同1,165ドル)であり、この4年間でおよそ経済は2倍に成長したと見ることができます。また2008年度の実質経済成長率は6.1%と、同年下期から見舞われた世界同時不況の影響を受けつつもプラス成長を続けています。
インドネシアでは「輸出依存度が低く内需主導の経済構造であること」から、世界的な不況下にある2009年度も経済は堅調に進むという見方が専らです。
日本との関係ですが、インドネシア側から見た最大の貿易輸出国は日本(2007年度は全体の21%)であり、日本外務省も「経済上の相互依存関係を背景に両国の友好協力関係は一層緊密化」という表現を使って両国関係を表現しています。

■とても景気は良さそうですね。日本では、不景気な話ばかりが聞かれますが・・。現地の生活の中で「好景気」を実感することなんてありますか?

実際、道路を走ってみるとバイクと車の往来が非常に激しく、とても活気があります。商店に並ぶものも豊富ですね。土日のショッピングモール等は人で溢れかえっています。インドネシアの人々は購買意欲が非常に旺盛ですね。街に出た限りでは、不況の影響は全く感じません。特に7月は「サマーバーゲン」の真っ最中でしたが、常夏の国にあってサマーバーゲンというのも素朴な疑問でした(笑)。そう言うわけで、日本では財布のひもの固かった妻もこちらでは少しばかり緩んでいます(汗)。
日系企業の方に聞くと、2009年の不況は上期には底入れを脱し既に回復基調とのこと、内需に支えられたインドネシアの底知れぬパワーを実感しています。

■インドネシアの人々や暮らしにはどういった印象ですか?

回教国ということもあり文化面での違いはありますが、基本的に陽気で真面目な人々が多いように思います。こんなに暑いと日本人はビールが欠かせないのですが、こちらの人はお酒を飲まないので、仕事が終われば真っ直ぐ家に帰って家族と時間を共にする人が多いですね。あと、非常にお喋り好きな面があると思います。木陰で避暑を兼ねて。
物価ですが、日本に比べるとやはり安いですね。食べようと思えばRp.5,000(50円)で一食ナシゴレンを食べられますし、散髪はRp.40,000(400円)、フットマッサージは90分でRp.100,000以下(1,000円)です。これでもまだ高い方らしいです。また、街乗りのタクシーは1時間ぐらい乗ってもRp.50,000程度(500円)。先日、ジョグジャカルタでバティック(民族衣装)を買いましたが、安いものならRp.40,000(400円)ぐらいで買えます。それでも正装として十分使用できます。生活物価に関しては、日本の1/10ぐらいのイメージを持っています。その一方で、車は非常に高価です。税制の関係もあるのでしょうが、日本の3倍ぐらいする車もありますね。ちなみにガソリンなど燃料は日本のおよそ半額です。あっ、高速道路は非常に安いですね。距離にもよりますが、30分ぐらい走ってRp.10,000(100円)程度です。

■日本や日本人に対する印象は如何ですか?

海外に来ると、「私は日本人だ」ということを実感します。先日、とある新聞記事に載っていましたが、海外でのホテル従業員のアンケートで最も好感度が高いのは日本人とのことでした。こちらにいて、日本人であることを非常に誇らしく思うと共に、素直に頷ける結果でした。「日本人は礼儀正しく不平をあまり言わない」というのは、インドネシアでもよく言われているようです。メイドさん、運転手さんをインドネシアで雇う人は多いのですが、彼らは雇い主が日本人だと「良かった」と思うそうですよ。それがいいのかどうかは分かりませんが・・・。
また、こちらの車やバイクは日本製が多いですね。日系企業の皆さんの努力に頭が下がるのと、それを支えるインドネシアの人々に感謝しています。こういうこともあり、インドネシアの人々にとって日本とは身近な存在であることは間違いないと思います。

■インドネシアは地震が多いと聞きますが?

地震は非常に多い印象を受けていますが、着任して5ヶ月、ジャカルタに関してはまだ大きな揺れを感じていません。こちらで聞いてみても「大丈夫だ」と非常に楽観的。地勢的には、インドネシアは火山活動が活発であり、石油、天然ガス、鉱石、地熱エネルギー、ミネラルウォーターなどの天然資源に恵まれていることが特徴的です。地質学者にとっては非常に興味深い地域なのですが、巨大地震には遭いたくありませんね。あと、温泉もありますよ。当然ながら水着着用の混浴ですが。

お読みいただきありがとうございます。
インドネシアの様子はご理解いただけましたでしょうか?
次回は、ごみ、廃棄物の視点からみたインドネシア事情と企業進出の状況についてレポートをお届けします。

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