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海外こぼれ話 ~中国人の教育熱~

海外こぼれ話

中国で仕事を始めて3年半が経過しました。その中で中国人が非常に教育熱心であると感じることが多々ありましたので、具体的なデータと筆者の体験を基に考えてみたいと思います。

2012年OECD実施 国際学力テスト結果
順位 数学的リテラシー 読解力 科学的リテラシー
1 上海 上海 上海
2 シンガポール 香港 香港
3 香港 シンガポール シンガポール
4 台湾 日本 日本
5 韓国 韓国 フィンランド
6 マカオ フィンランド エストニア
7 日本 アイルランド 韓国
8 リヒテンシュタイン 台湾 ベトナム
9 スイス カナダ ポーランド
10 オランダ ポーランド カナダ
11 エストニア エストニア リヒテンシュタイン
12 フィンランド リヒテンシュタイン ドイツ
13 カナダ ニュージーランド 台湾
14 ポーランド オーストラリア オランダ
15 ベルギー オランダ アイルランド
16 ドイツ ベルギー オーストラリア
17 ベトナム スイス マカオ

出典:OECDホームページ
※青枠は中国、黄枠は華人が多数を占める国・地域

この調査はOECDが世界65ヵ国・地域の15歳約51万人を対象に2000年から3年毎に実施されている調査です。
もちろん我が国、日本のレベルは高いと言えますが、中国人および華人が多数を占める国家・地域の教育レベルが高いことが一目瞭然です。特に、上海は2009年調査に続き3部門でその他を引き離して圧倒的な1位です。

上海の学力が高い要因について、ある専門家は以下のように分析しています。

  • エリート教育を行う「教育重点校」があり、授業時間も香港とともに世界で最も長い
  • 多くの学校に「英才クラス」があり、優秀な子供を選抜して特別教育を実施している
  • 上海等沿岸部の都市では優秀な教職員が全国から集まる
  • 校内では徹底的に競争させる(日本のような絶対評価ではない)

■筆者の体験から感じた教育熱の高さ

【小学校の宿題】

小学校では毎日多量の宿題が出され、その内容は学校の先生から親の携帯にショートメールで送信されます。
当社の従業員で小学生の子を持つ母親がいるのですが、毎日そのメールをチェックし、子供が実際に宿題をやっているかチェックしています。夕方になると私の目の前で、その従業員は子供に電話をし、「宿題やってるの?!」と毎日確認します。
筆者が「宿題をやる」と言う中国語を早々に覚えたのは言うまでもありません。

【当社従業員(80年以降生まれ)の学生生活】

彼女の中学生時代は、朝は7時から学校に行き、授業が始まるまで自習、授業終了後も夜7時頃まで学校で自習をしていたとのことです。
因みに、中国では運動部に入って学校生活をエンジョイすると言うような文化はなく、専ら勉学に勤しむようです。

【留学熱の高さ】

中国内では子供に豊かな生活を送らせるために、親は

  1. 政府部門の仕事に就かせる
  2. 外資系企業に就職させる
  3. 巨大国有企業に就職させることを望む

と言われています。
そのためには留学することがかなり有効であると言われています。

筆者は仕事柄多くの政府部門の上層部の方や国営企業の上層部の方とお会いしますが、それは事実でした。むしろ想像以上と言った方が良いかも知れません。
統計はありませんが、筆者がお会いしたこれら上層部の方のご子息・ご令嬢の少なくとも50%以上(感覚的には70%近く)は留学しているのではないかと感じています。

【当社従業員の幼児教育】

筆者には3歳の娘がいますが、先日4歳の子を持つ従業員の家を娘と一緒に訪問したときのことです。何とその子は、足し算・引き算教室に通い既にそれを習得し、筆者に披露してくれました。
それを横目に我が娘は「パパお菓子食べたい、ジュース飲みたい」と・・・

どんな教育が理想か、国によっても家庭によっても様々だと思います。また、その結果は、子供が大人になり振り返って初めて分かることでしょう。
ただ一つ言えることは、我々はこのようなハイレベルな人々と切磋琢磨していかなければならないこと。
さて、我が娘にはどんな教育をしよう・・・

※当該国際学力テストにおいて、中国は国単位の調査結果ではなく、上海・香港のみ、都市のテスト結果となっています。この地域は非常に裕福であるため、これが中国を代表するものではないことを付記しておきます。

蘇州の陽澄湖には下の写真の様に沢山の蟹料理屋があります。上海蟹の産地は上海ではなく蘇州です。


この記事は
蘇州同和環保工程有限公司
江藤 が担当しました

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