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法規と条例

水銀廃棄物ガイドライン解説 その2 「排出事業者にとっての改正ポイント」
~水銀使用製品産業廃棄物・水銀含有ばいじん等~

2017年6月に環境省から「水銀廃棄物ガイドライン」が公表されました。
前回のガイドライン解説は、水銀廃棄物の分類について解説しました。
今回からは、改正施行令・改正施行規則の改正ポイントとして、水銀廃棄物の処理を委託している排出事業者のみなさんが留意しなければいけない事項を解説します。

平成29年度 廃棄物処理法改正のポイント

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【1】排出事業者にとってのポイント

~水銀使用製品産業廃棄物・水銀含有ばいじん等~

「水銀使用製品産業廃棄物」または、「水銀含有ばいじん等」の処理を委託している排出事業者のみなさんが留意しなければいけないポイントは、以下の3点です。

a)記載事項の記載を追加
b)処理の委託
c)保管基準の追加

a)記載事項への記載を追加

処理を処理業者に委託している場合には、下のa−1~a−4に関して、当該産業廃棄物に「水銀使用製品産業廃棄物」または、「水銀含有ばいじん等」が含まれる旨の内容を追加しなければいけません。

a−1
産業廃棄物保管場所の掲示板
a−2
委託契約書
a−3
マニフェスト
a−4
情報処理センターへの登録手続き、電子マニフェスト登録事項

それぞれの項目について具体的に説明していきます。

a−1 産業廃棄物保管場所の掲示板(規則第8条)

産業廃棄物の種類欄に「水銀使用製品産業廃棄物」または、「水銀含有ばいじん等」が含まれることを明記しなければいけません。

「水銀使用製品産業廃棄物」の場合は、産業廃棄物の種類欄に、ガラスくず、金属くず、汚泥など「水銀使用製品産業廃棄物」の性状を踏まえた産業廃棄物の種類を記載するとともに、「水銀使用製品産業廃棄物」が含まれる旨を示さなければいけません。

「水銀含有ばいじん等」の場合は、産業廃棄物の種類欄に、ばいじん、燃え殻、汚泥、廃酸、廃アルカリ、鉱さいのいずれかの記載と、「水銀含有ばいじん等」が含まれる旨を示さなければいけません。


水銀含有ばいじん等の保管施設の表示の例

出典:環境省ホームページ 水銀廃棄物ガイドライン


水銀使用製品産業廃棄物の保管施設の表示の例

出典:環境省ホームページ 水銀廃棄物ガイドライン

a−2 委託契約書(規則第8条の4の2)

委託する廃棄物の種類に、「水銀使用製品産業廃棄物」または、「水銀含有ばいじん等」が含まれることを明記しなければいけません。

平成29年10月1日以前に契約締結している委託契約書については、新たに契約変更等をする必要はないとされています。
但し、「委託した産業廃棄物の適正な処理のために必要な情報の提供」として委託先に情報提供をする必要があります。

情報提供に関しては「廃棄物情報の提供に関するガイドライン-WDS(Waste Data Sheet)ガイドライン-」に示されるWDSを活用することとされており、契約を継続している場合でも、廃棄物の性状や成分など、廃棄物情報に変更があった場合にはWDSを再発行するなどして、確実な情報を伝達することとされています。

具体的な対応については、委託先と協議をしながら進めることになります。

a−3 マニフェスト(規則第8条の21)

廃棄物の種類欄に、「水銀使用製品産業廃棄物」または「水銀含有ばいじん等」が含まれることとその数量を記載しなければいけません。

「水銀使用製品産業廃棄物」の場合は、産業廃棄物の種類欄に、ガラスくず、金属くず、汚泥など水銀使用製品産業廃棄物の性状を踏まえた産業廃棄物の種類を記載するとともに、「水銀使用製品産業廃棄物」が含まれる旨と、その数量を記載しなければいけません。

「水銀含有ばいじん等」の場合は、産業廃棄物の種類欄に、ばいじん、燃え殻、汚泥、廃酸、廃アルカリ、鉱さいのいずれかの記載と、「水銀含有ばいじん等」が含まれる旨と、その数量を記載しなければいけません。

また、マニフェストに関する報告書においても、産業廃棄物に「水銀使用製品産業廃棄物」または「水銀含有ばいじん等」が含まれる旨を記載しなければいけません。

a−4 情報処理センターへの登録手続き、電子マニフェスト登録事項
(規則第8条の31の2、規則第8条の32)

産業廃棄物の種類に、「水銀使用製品産業廃棄物」または「水銀含有ばいじん等」が含まれる旨と、その数量についても、登録しなければいけません。

b)処理の委託
(規則第9条の2、第9条の3、第10条の2、第10条の4)

  • 「水銀使用製品産業廃棄物」または、「水銀含有ばいじん等」の収集運搬または処分の許可を受けた事業者に委託しなければいけません。
  • 水銀回収が義務付けられている廃棄物の処理を委託する場合は、水銀回収が可能な業者に委託しなければいけません。

平成29年10月1日時点でこれらの廃棄物を取り扱っている場合には、変更許可は不要とされています。その場合、今後、処理業者が許可を更新した際に許可証に記載されることになります。そのため当分の間、許可証だけでは判断できないケースが想定されますので、委託先に排出する廃棄物の処理が可能かどうか、委託先にヒアリングを行う必要があります。

c)保管基準の追加
「水銀使用製品産業廃棄物」関連(規則第8条)

「水銀使用製品産業廃棄物」を排出する事業所で、その廃棄物が運搬されるまで保管する場合、既存の産業廃棄物の保管基準に加え、保管場所で、「水銀使用製品産業廃棄物」が他の物と混合しないように、仕切りを設けるなどの措置をとらなければいけません。

■さいごに

今回は、改正施行令・施行規則に関して排出事業者に関係がある事項の説明をしましたが、

まずは、自社で排出している廃棄物が「水銀使用製品産業廃棄物」または「水銀含有ばいじん等」に該当するかを確認する必要があります。

「水銀含有ばいじん等」に該当するかどうかの基準や、「水銀使用製品産業廃棄物」については、水銀廃棄物ガイドライン解説 その1「水銀廃棄物とは」にてご確認ください。

水銀廃棄物ガイドラインには、改正点だけでなく、廃棄物処理法にて従来から求められている排出事業者の役割・責務がわかりやすくまとめられていますので、ご覧になる事をおススメします。

【出典】

環境省ホームページ
廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則の一部を改正する省令等の公布(水銀関係)について
水銀廃棄物ガイドライン
廃棄物情報の提供に関するガイドライン
― WDS(Waste Data Sheet)ガイドライン ―

WDS:Waste Data Sheet(廃棄物データシート)
廃棄物処理法施行令等の改正(水銀関係)についての説明会(平成29年6月実施)説明資料(平成29年6月)

【参考資料】

環境省ホームページ
水銀廃棄物適正処理検討専門委員会(第8回)議事次第・配付資料
改正廃棄物処理法施行令(第2段施行分)に係る環境省令等で定める事項(案)
水銀廃棄物の適正処理について、新たな対応が必要になります。
廃棄物情報の提供に関するガイドライン


この記事は
DOWAエコシステム 環境ソリューション室
上田 が担当しました

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