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H29年4月1日より土壌汚染対策法の特定有害物質にクロロエチレンが追加されます

土壌汚染対策法の特定有害物質(現在25物質)に、新しく「クロロエチレン」を追加指定する「土壌汚染対策法施行令の一部を改正する政令」が3月18日閣議決定され、3月24日に公布されました。また、「土壌汚染対策法施行規則の一部を改正する省令」が3月29日に公布されました。

1. 改正の概要

(1)対象物質

土壌汚染対策法第二条第一項の政令で定める物質(特定有害物質)として、クロロエチレン(別名:塩化ビニル・塩化ビニルモノマー)が指定されます。

※いままでは「塩化ビニルモノマー」の呼称が使われていましたが、施行後は「クロロエチレン(別名:塩化ビニル・塩化ビニルモノマー)」の呼称へと変わります。

(2)クロロエチレンの基準値について

「土壌汚染対策法施行規則の一部を改正する省令」に定められる基準値等は、下表の通りです。

表1 クロロエチレンの基準値
項目 クロロエチレンの基準値
土壌ガス調査における定量下限値 0.1volppm
※「ベンゼン以外は0.1volppmとする」規定の文章に変更なし。
土壌溶出量基準 0.002mg/L以下であること ※施行規則別表第三に追加。
土壌含有量基準 なし
地下水基準 0.002mg/L以下であること ※施行規則別表第一に追加。
第二溶出量基準 0.02mg/L以下であること ※施行規則別表第二に追加。

(3)施行期日

平成29年4月1日に施行されます。

2. 改正の背景と運用について

(1)経緯

検討経緯に関しては土壌汚染対策法 特定有害物質の見直しに関するパブリックコメント【4】背景をご参照ください。

(2)土壌汚染対策法の特定有害物質

今回改正される政令第一条は特定有害物質を定めています。
現在の特定有害物質(25物質)は下表のとおりです。平成29年4月1日以降、ここにクロロエチレンが追加されます。

表2 現在の土壌汚染対策法に定める特定有害物質
分類 特定有害物質の種類
第一種特定有害物質 四塩化炭素、1,2-ジクロロエタン、1,1-ジクロロエチレン、シス-1,2-ジクロロエチレン、1,3-ジクロロプロペン、ジクロロメタン、テトラクロロエチレン、1,1,1-トリクロロエタン、1,1,2-トリクロロエタン、トリクロロエチレン、ベンゼン
第二種特定有害物質 カドミウム及びその化合物、六価クロム化合物、シアン化合物、水銀及びその化合物、セレン及びその化合物、鉛及びその化合物、砒素及びその化合物、ふっ素及びその化合物、ほう素及びその化合物
第三種特定有害物質 シマジン、チオベンカルブ、チウラム、ポリ塩化ビフェニル(PCB)、有機リン化合物

(3)運用について

政令・省令の改正では改正後の制度運用については示されておらず、今後、通知やガイドラインによって示されていくことになります。
「土壌の汚染に係る環境基準の見直しについて(第2次答申)(案)」に、クロロエチレンの追加に伴う土壌汚染対策法の制度運用についての記述がありますので参考になると思います。第2次答申の内容については、土壌汚染対策法 特定有害物質の見直しに関するパブリックコメントをご参照ください。

3. まとめ

クロロエチレン(別名:塩化ビニル・塩化ビニルモノマー)が、平成29年4月1日の施行をもって第一種特定有害物質に追加されます。
答申等にある通り、状況に応じて一定の猶予が受けられる可能性はありますが、施行前であってもクロロエチレンへの対応について注意が必要になります。

【関連ホームページ】

環境省ホームページ
(お知らせ)「土壌汚染対策法施行令の一部を改正する政令」の閣議決定について
(お知らせ)土壌環境基準及び地下水環境基準の一部を改正する告示並びに土壌汚染対策法施行規則の一部を改正する省令等の公布について


永瀬 この記事は
DOWAエコシステム ジオテック事業部
永瀬 が担当しました

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