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法規と条例

リサイクル法解説 「自動車リサイクル法」

2011年9月号に掲載された家電リサイクル法の解説に引き続き、リサイクル法解説シリーズ第2弾として自動車リサイクル法について詳しくご紹介いたします。

■自動車リサイクル法とは

自動車リサイクル法とは「使用済自動車再資源化等に関する法律」の通称です。
2002年(平成14年)に公布され、2005年1月(平成17年)から本格施行されました。

■自動車リサイクル法の目的は(法第1条要約)

自動車リサイクル法は、自動車製造業者等及び関連事業者による使用済自動車の引取り及び引渡し並びに再資源化等を適正且つ円滑に実施するための措置を講ずることにより、使用済自動車にかかる廃棄物の減量並びに再生資源及び再生部品の十分な利用等を通じて、使用済自動車に係る廃棄物の適正な処理及び資源の有効な利用の確保などを図り、生活環境の保全及び国民経済の健全な発展に寄与することを目的として施行されました。

フロン類、エアバッグ類、シュレッダーダストの3品目につき、資源のリサイクルと適正な処分を実施するためのしくみが定められています。

■自動車リサイクル法成立までの経緯

日本における自動車の保有台数は7,500万台(2010年3月現在)に及び、年間約500万台が廃車になります。うち350万台は中古自動車専門店や整備業者により回収、125万台が販売業者により回収されています。
使用済自動車には資源として有用な部品や金属が含まれ、解体業者などによるリサイクルは従来から行われていました。
しかし、破砕屑(シュレッダーダスト)の埋め立てによる地下水汚染が問題となったことから、1996年の廃棄物処理法改正により破砕屑の処分が安定型処分場から管理型処分場に移行されると、処理費用が高騰し、また鉄スクラップ価格の低迷も手伝って、処理費用を支払って引取ってもらう「逆有償」の状態になり、従来のリサイクルシステムが機能しなくなった結果、廃車の不法投棄が大きな問題となりました。
また、フロン類やエアバッグ類の適切な処分の観点から、使用済み自動車をめぐる新たな枠組みが必要とされ、2002年に自動車リサイクル法が制定されたのです。

■自動車リサイクル法の内容

自動車リサイクル法は、生産者が製品の販売により利益を受ける以上、製品の廃棄とリサイクルについても責任を負うべきという拡大生産者責任の考えに基づいていて、自動車製造業者の役割、責任として、シュレッダーダスト、エアバッグ、フロン類などの引取と、それらのリサイクル(フロンは破壊)が義務付けられています。
実際のリサイクルは、使用済み自動車の最終所有者からそれを引取るのは引取業者、
フロン類を回収するのはフロン類回収業者、
使用済み自動車を解体し、エアバッグや有用部品などを回収するのは解体業者、
使用済み自動車を破砕するのは破砕業者などです。
これらリサイクルにかかる費用は、新車購入時に所有者が負担し、リサイクル料金として、自動車リサイクル促進センターに預託します。
また、引取業者以降のリサイクルの流れは、すべて電子マニフェストで管理され、不法投棄などを防ぎます。

■自動車リサイクル・シュレッダーダスト処理の流れ

■誰がどんな責務を負うか

自動車リサイクル法では自動車の所有者・引取業者・フロン類回収業者・解体業者・破砕業者に対し、以下のような責務を負わせています。

【自動車の所有者】

  • 使用済となった自動車を引取業者に引き渡さなければならない(法第8条)
  • 使用済自動車のリサイクルに要する費用を負担しなければならない(法第73条)

【引取業者】

  • 自動車所有者から使用済自動車を引き取り、特定エアコンが搭載されている場合は フロン類回収業者に、その他の場合は解体業者に引き渡さなければならない(法第9条・第10条)
  • 都道府県知事の登録を受けなければならない(法第42条)
  • 使用済自動車を引取るときは書面を交付しなければならない
  • 書面の交付に代えて、電子情報処理組織を使用することができる(法第80条)

【フロン類回収業者】

  • フロン類を適正に回収し、自動車製造業者等に引き渡さなければならない(法第12条・第13条)
  • フロン類を回収したのち、使用済自動車を解体業者に引き渡さなければならない(法第14条)
  • 都道府県知事の登録を受けなければならない(法第53条)

【解体業者】

  • 使用済自動車を引き取り、解体に当たっては、有用な部品を分離して再資源化を行い、指定回収物品(エアバッグ)を自動車製造業者等に引き渡す
  • 解体が終了した使用済自動車を破砕業者に引き渡さなければならない(法第15条・第16条)
  • 都道府県知事の許可を受けなければならない(法第60条)

【破砕業者】

  • 解体業者から解体自動車を引き取り、有用な金属を分離して再資源化を行い、自動車破砕残さを自動車製造業者等に引き渡さなければならない(法第17条・第18条)
  • 都道府県知事の許可を受けなければならない(法第67条)

■罰則

自動車リサイクル法では悪質な行為に対し、罰則が設けられています。

■自動車リサイクルの実施状況

経済産業省の調査では、2008年に自動車リサイクル法に基づき処理された廃車は約358万台。
また、2008年の自動車製造業者の再資源化率は、シュレッダーダストが72.4~80.5%、エアバッグ類は94.1~94.9%と、自動車リサイクル法が定める再資源化率の目標値をすべて上回っています。

経済産業省:自動車リサイクル法の実施状況について

■関連リンク

経済産業省:自動車リサイクル法解説ページ

環境省HP:自動車リサイクル関連リンク集


この記事は
リサイクル事業部
蔵石 が担当しました

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