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法規と条例

リサイクル法の費用負担について

■各種リサイクルに関する法律

ゴミの法律は明治33年の汚物清掃法から始まり、昭和29年には清掃法が、昭和45年には廃棄物処理法が制定されています。
一方で、リサイクルの法律は新しく、「循環型社会元年」と呼ばれる平成12年に、3R(スリーアール)の考え方が取り入れられた基本的枠組みを定めた循環型社会形成推進基本法が制定されました。現在は、循環型社会形成推進基本法の下に、各種リサイクルに関する法律が制定されています。

法律 正式名称
容器包装リサイクル法 容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律
家電リサイクル法 特定家庭用機器再商品化法
食品リサイクル法 食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律
建設リサイクル法 建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律
自動車リサイクル法 使用済自動車の再資源化等に関する法律
資源有効利用促進法 資源の有効な利用の促進に関する法律
グリーン購入法 国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律

廃棄物の処理と同じように、危険物や有害物質へ対応した適正なリサイクルをするためには費用がかかります。今回はその費用負担について考えます。

■リサイクルの費用負担

下の表のとおり、家電や自動車のリサイクル費用は直接消費者から徴収しますが、パソコンや容器包装はメーカーが費用負担します。ただし、メーカーが費用負担するといっても、その分は価格上乗せをすることができますので、間接的には消費者が負担していることになります。

  直接費用負担 費用徴収方式
家電リサイクル法 購入者 廃棄時(後払い)
自動車リサイクル法 購入者 購入時(前払い)
建設リサイクル法 発注者 廃棄時(後払い)
資源有効利用促進法
(パソコン)
メーカー 価格上乗せ
容器包装リサイクル法 メーカー 価格上乗せ
食品リサイクル法 メーカー 価格上乗せ

現在、多くの先進国や途上国において、廃家電等の電子機器のリサイクルに関する法律について施行・検討されています。例えば家電リサイクルに関して、EUのWEEE指令では、リサイクルまでを製造者の責任範囲として製造者がリサイクル費用を負担し、消費者は廃棄時にお金を払いません。中国版家電リサイクル法では、廃家電は有価で扱われます。これに対し、日本の家電リサイクル法では、消費者が廃棄時に直接費用負担する方式であり、これは世界的には珍しい方式でもあります。

■費用徴収方法についてのデメリット

ここで、それぞれの費用徴収方法についてのデメリットを見てみましょう。

購入時
(前払い)
  • 将来の廃棄時の適性なリサイクル費用が分からないのに、費用を設定しなければならない。
  • 想定外のルートに流れる場合、払い損になってしまう
廃棄時
(後払い)
  • 法施行前のかけこみ不法投棄や、廃棄時の不法投棄の恐れがある。
価格上乗せ
  • 上乗せされたリサイクル費用が不明確になる。
  • 消費者にリサイクル意識が芽生えにくい。

このように、どの費用徴収方法にもデメリットがあるため、一概にはどの方式が良いとは言えないようです。また、想定外のルートで不適正な流通が存在することや、リユースとリサイクルの基準が不明確なこと、中古部品市場までカバーできていないこと、廃棄時だからといって適正なリサイクル費用であるかは分からないことなど、その他の課題もあります。

■不適正な流通の防止とリユースの促進のための取組み

次に、特に問題となっている不適正な流通の防止とリユースの促進のための取組みを紹介します。経済産業省、環境省、中古情報機器協会などが、対象品目別にガイドラインを策定しています。

策定者 策定 対象 ガイドライン 参考HP
経済産業省・環境省 2008年 家電 小売業者による特定家庭用機器のリユース・リサイクル仕分け基準作成のためのガイドライン 経済産業省HP:http://www.meti.go.jp/committee/materials2/downloadfiles/g80922a06j.pdf
環境省HP:http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=10203
中古情報機器協会
(RITEA)
2009年 パソコン 国内利用および海外輸出時におけるPCのリユース・リサイクル仕分け基準のガイドライン http://www.ritea.or.jp/pdf/090304_1.pdf(PDF)
中古情報機器協会
(RITEA)
2010年 携帯電話 携帯電話のリユース・リサイクル仕分け基準および使用済携帯電話のデータ消去取扱いのガイドライン  
経済産業省・環境省 策定中 自動車 使用済自動車判別ガイドライン (骨子案)
http://www.meti.go.jp/committee/summary/0004689/004_03_00.pdf(PDF)

このような中、平成22年10月21日に環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部廃棄物対策課長・産業廃棄物課長より、各都道府県・政令市廃棄物行政主管部(局)長宛に、「使用済物品の適正な処理の確保について」という通知が出されました。これは、一般家庭から排出される家電製品等の使用済物品を収集運搬する者への苦情や廃棄物処理法違反の疑いなどに関する内容です。
環境省HP:http://www.env.go.jp/hourei/add/k018.pdf

以上のように、リユース(中古品)やリサイクルの流通ルートは日本国内にとどまらず、中国や東南アジアなどに展開されているため、グローバルな視点での検討が必要となります。望ましい循環型社会の形成に向けて、今後も様々な検討がなされることと思います。


この記事は
DOWAエコシステム リサイクル事業部
池田 が担当しました

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