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中国の家電リサイクルに関する法律について

1. 中国の家電リサイクルに関する法律について

中国では2009年2月に中国版家電リサイクル法(正式名称「廃旧電器電子産品回収処理管理条例」)が公布され、2011年1月に本格施行される予定です。日本の家電リサイクル法は、最終処分地の延命化のために廃棄物を減量して有用な素材の有効利用を促進するために制定された法律であるのに対して、中国版家電リサイクル法は、資源の総合的利用および循環経済の発展の促進と環境の保護、国民の健康の保障を目的とした法律です。
中国版家電リサイクル法には、市レベルの処理許可制度を設けることや、不適切な処理を禁ずること、無資格の処理業者には操業停止と違法所得の没収や罰金を科す一方で、有資格の処理業者に対して税務上の優遇を与えることが明記されています。

しかし、対象となる廃電器電子製品リストや、生産者及び輸入業者が拠出して処理業者に補助金を支給する「廃棄電器電子製品処理基金」の詳細な内容、有害物等の処理基準などは2010年7月現在、まだ施行細則が公表されていないので明確になっていません。

また、中国版家電リサイクル法の最大の特徴は廃電器電子製品が有償買取になる点です。中国では従来から廃電器電子製品は、リサイクル目的であっても有償で取引されていたため、無償引取で回収することは困難と判断したと推測されます。現在は後述する「以旧換新」政策によって回収ルートが構築されていますが、「以旧換新」政策の終了後、想定している回収ルートで解体工場に廃電器電子製品が集まるかどうかが、中国版家電リサイクル法の命運を握ると考えられています。

2. 「以旧換新」政策

中国版家電リサイクル法が公布されてから4ヵ月後の2009年6月に、「以旧換新」政策(正式名称「家電以旧換新実施弁法」)が発表され、沿岸主要部を中心とした九省市(北京市、天津市、上海市、江蘇省、浙江省、山東省、広東省、福州市、長沙市)において、テレビ・冷蔵庫・洗濯機・エアコン・パソコンの5品目を対象として、使用済み製品の下取りを条件に新製品の購入価格を10%割り引く制度が導入されました。
この制度は消費刺激策であると同時に、使用済み製品の適正回収ルートの構築と定着が狙いとなっています。
この「以旧換新」政策に基づき、各省市で指定された解体処理企業が家電リサイクルに先行着手しており、既に1年間で約1,480万台の廃家電が回収されています。
この制度は2010年6月に修訂され、対象地域をほぼ全国に拡大し2011年12月まで延長することが決まりました。
なお、対象5品目の中国都市部の100世帯あたりの平均保有台数は図1のとおりで、主にエアコンとパソコンの台数が伸びています。一方で、内閣府の消費動向調査によると2009年3月の日本の総世帯における100世帯あたりの平均保有台数は、テレビが214台、エアコンが221台となっており、中国でも更に保有台数が伸びることが予想されます。

図1:中国都市部での平均保有台数(100世帯あたり)
図1:中国都市部での平均保有台数(100世帯あたり)

出典: 中国統計年鑑 http://www.stats.gov.cn/ に基づき弊社作成

3. DOWAの取り組み

DOWAグループでは、中国版家電リサイクル法の本格施行に向けて、江蘇省蘇州市と天津市において、それぞれ新規に家電リサイクル工場を建設中です。弊社の国内の家電リサイクル工場で蓄積された技術やノウハウを中国の工場にも導入し、日本と同レベルの適正処理・適正リサイクルを実施することにより、中国の家電リサイクルに貢献したいと考えております。


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