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マニュアルミッションについて考えた

一昨年前に海外赴任から戻ったこともあり、12年間乗ったハイブリッド車から新しい車へ乗り換えたのですが、自分が選んだのはスポーツタイプのマニュアルトランスミッション(MT)車でした。

日本不在時にいろいろお世話になったディーラー担当者も、私が環境の仕事をしているし次もハイブリッド車だろうと考えていたようで、結構驚かれました。友人にもこの乗り替えの話をしたわけですが、大別すると、「いいね」と「なぜ今MT?」の2つの反応がありました。

やはり皆さん、年齢や家庭の事情、車の役割や利用法の考え方に違いがあるのでいろいろな見方があるなあと思いましたが、「じゃあ、今の世の中でMT車ってどういう存在なんだろう?」と自分でも疑問に思えてきました。

そこで、MT車とオートマチックトランスミッション(AT)車について、比較がてら少し調べてみました。

日本国内の販売台数でみると、(一社)日本自動車販売協会連合会によれば、1985年頃にはAT・MT車の比率は拮抗していたものの、その後はAT車の割合がどんどん増え、2000年には90%、2010年には98%近くになっています。
これについて、私はAT車の普及の一因にAT限定免許があるのでは?と思っていたのですが、この制度が始まったのは1991年からで、その頃既にAT車の販売台数は75%近い割合になっていたそうです。どちらかというと、世の中に合わせて免許制度が変わったんですね。

では海外ではどうかというと、米国は日本と同じような状況である一方、ヨーロッパではいまだにMT車は大きな比率を占めているそうです。
私が赴任していたタイでは、自家用車や公共交通車両でもMT車をよく見ましたが、価格がAT車と比較して安いから、というのがよく聞こえてきた理由でした。

次に運転操作ですが、AT車のペダルはアクセルとブレーキだけなのに比べ、MT車はクラッチが加わります。クラッチ操作は慣れれば苦にはなりませんが、渋滞時など低速時は加減をつけて何度も踏まなければならず、両足が忙しくてわずらわしさを感じる方もいるでしょう。

一方で、AT車はブレーキを放すと低速で移動するクリープ現象もあり、基本は右足だけで操作ができます。足の操作だけでいえば、AT車は簡単で楽です。しかし、ギアの入れ間違いやペダルの踏み間違いによる事故の可能性が、AT車にはあります。

MT車ではアクセルを踏むだけでは動かないし、クラッチをいきなりつないでもエンスト(エンジンストール)で止まってしまうため、そのような事故が起こりにくいという良さもあります。ただこれは、自動ブレーキシステムの進化や普及で解消されていくのだろうと思います。

また、燃費について以前はMT車の方がAT車より的確なギアを選べるから良いといわれていたのですが、現在はCVT(無段変速機)の普及でむしろAT車の方が燃費は良いそうです。

ここまで見ると、やはり日本でのMT車は、いまや趣味の世界のモノなのかなぁ、とますます思えてきました。最近ではパリ協定などCO2削減・脱化石燃料の流れで、国や自動車メーカーから「○○年までに100%電気自動車/ハイブリッド車のみにする」「内燃機関動力車の販売禁止」のような話が聞こえていますが、そうなるとMTの概念自体が消滅しちゃうような気がして、少し寂しさを感じます。

今後どうなっていくのか、仕事にも関係するけれど個人的にも気にしつつ、今は運転を楽しもうと思います。


この記事は
イー・アンド・イー ソリューションズ
石津 が担当しました

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