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海底熱水鉱床

海の日に海底熱水鉱床のことを妄想してみました。

海底熱水鉱床とは、海底から有用な金属に富む熱水が噴出し、銅、鉛、亜鉛、金、銀、レアメタル等の元素が沈殿して生成された多金属硫化物鉱床とも呼ばれるものです。

陸上においては、かつて商業的に採掘された秋田県北部の「黒鉱鉱床」の成因が海底熱水鉱床であったことで有名です。
秋田県北部の「黒鉱鉱床」は一つの鉱山で合計500万トン~1,000万トン(鉱石重量)程度で分布し、秋田県北部の10あまりの主要鉱山からは5,000万トンもの「黒鉱」を産したそうです(DOWAホールディングス(旧同和鉱業)も黒鉱を採掘していました)。

一方、これまでの国の科学的調査等によって沖縄近海や伊豆・小笠原海域では20数カ所程度の海域で海底熱水鉱床の鉱徴が確認されています。
これらの海域では、熱水に溶け込んだ有用な金属類が今も沈殿・生成され続けている状況なのです。

これらの海域で発見された鉱徴の分布水深は700m~1,600mと世界的に見ても浅い方で、比較的開発しやすそうであると考えられています。
国の試算では、比較的詳細に調査された地点のデータを基に日本周辺海域の「海底熱水鉱床」の概略資源量を5,000万トン程度と推定しています。今後詳細な調査が進められていく予定で、新たな鉱徴が更に発見されれば、その資源量は更に増えていくことになります。

海洋資源を開発するには、多くの解決すべき問題があります。
例えば、どうやって海底で採掘するか? 海底で採掘することによって生態系にどう影響を与えるか? どこで、どうやって選鉱・製錬するか? などなど技術的問題、環境的側面、国際的な問題等解決すべき課題がたくさんあり、これらの課題を克服すべく幾つかの企業が挑戦している段階のようです。

陸上の資源の有限性を考えると、将来的には必ず海洋資源を開発しなければいけない時期がやって来るのは間違いありません。海のことももう少し考えてみたいと思っている今日この頃です。


土肥 この記事は
ジオテクノス株式会社
土肥 が担当しました

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