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プラスチックとミックスメタルリサイクルの高度化に向けて
-アクトビーリサイクリング分工場を新設-

DOWAエコシステムは、九州地区における環境・リサイクル事業のさらなる拡充に向け、熊本県宇城市(うきし)にリサイクル事業拠点を新設します。

■はじめに

新たなリサイクル事業拠点は、熊本県水俣市にあるアクトビーリサイクリング(以下「アクトビー」)の分工場です。
アクトビー本社工場と連携し、プラスチックや非鉄原料などの高度なリサイクルを実現します。

©︎2010 熊本県くまモン 写真:熊本県の立ち会いの下で宇城市と企業立地協定を締結する様子

■アクトビー本社工場(熊本県水俣市)の事業概要

まずアクトビーの事業概要について紹介します。
アクトビーは、1999年度に設立され、2005年度にDOWAエコシステムグループ入りした会社で、家電リサイクル事業を行っています。

<対象>

  • テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコンなどの使用済み家電(家電4品目)
  • パソコンなどの小型家電
  • その他医療機器や通信機器

使用済の家電やパソコンなどを手分解して素材別に分けたり、複合素材でできている製品や部品などは機械による破砕と選別を実施して、素材ごとに分けることで再生資源としてリサイクルをしています。

(参考)アクトビーリサイクリング 破砕選別設備

(出典)アクトビーリサイクリング 当社の家電処理フロー

■リサイクルの高度化に向けた課題


ミックスメタル

テレビや冷蔵庫といった家電やパソコンは、複数の種類のプラスチックや銅やアルミ、鉄など、様々な素材が組み合わされて作られており、リサイクルのために素材別に分けるのが困難な場合があります。

複合素材でできている製品や部品は、破砕機で小さく砕いてから選別機で素材別に分けていくのですが、選別するには発生物の状態に最適化した選別機を使用する必要があります。
選別機を通すと素材別の純度は少し上げられますが、「マテリアルリサイクルできるような単一の素材」とするにはかなりの設備が必要となります。

■そこで

今回新設するアクトビー分工場では、ミックスプラスチックやミックスメタルをさらに選別し、銅・アルミ・鉄など、プラスチックはPP・PS・ABSなどの種類ごとに分け、再生資源として再生させます。

■具体的には


プラスチックペレット

例えば、ミックスプラスチックは、破砕機で破砕され様々な種類のプラスチックが混同したものを、色の違い、重量差、比重差、静電気などを利用して種類ごとに選別してプラスチックペレットを成形します。

ミックスメタルも、磁力差・重力差などを利用した複数の選別機に通すことによって、選別の精度が上がり、銅とアルミなど似た性質を持つ金属も選別する事が可能になります。

■資源をとことん利用する


RPF(Refuse Plastic Fuel
新エネルギー固形燃料)

プラスチックを選別していく中で、素材別に分けられなかったプラスチックはマテリアルリサイクルが難しいので、RPF(Refuse Plastic Fuel 新エネルギー固形燃料)化することで、資源を無駄にしない、無駄のないリサイクルを実現し、九州、特に熊本経済圏における資源循環と新エネルギーの地産地消を実現・拡大します。

■さいごに

2022年4月に施行された「プラスチック資源循環法」の後押しにより、プラスチックのマテリアルリサイクルのニーズが高まりつつあります。DOWAグループは、アクトビーの本社工場・分工場において、プラスチックの高度な選別を実現し、プラスチックのマテリアルリサイクルに貢献します。

また今後は、「家電 to 家電」や「自動車 to 自動車」などのクローズドループリサイクルへの対応も見据えて研究開発を行っていきます。

参考:熊本県宇城市にリサイクル事業拠点を新設のニュースリリースはこちら


蔵石 この記事は
DOWAエコシステム 企画室
蔵石 が担当しました

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