大型廃電気機器の安全な現地解体
ジオテクノスが、東京電力パワーグリッド株式会社工務部より「南大田変電所1号変圧器PCB汚染機器解体運搬業務」に対する安全表彰を受けました。
NEWS:ジオテクノスがPCBで汚染された大型変圧器の解体運搬業務に関して「東京電力パワーグリッド工務部安全表彰」を受けました
ジオテクノスは2011年に大型廃電気機器の現地解体を開始、1600台以上の大型廃電気機器を解体し、安全な解体工事を実現するための確実な施工管理に取り組んできました。今回は、ジオテクノスの安全な現地解体への取り組みをご紹介します。
1. 大型の廃電気機器・解体工事の難しさ
大型の廃電気機器といって様々ありますが、高さが3mより大きく、重量が25トンを超え、現地から運び出せない廃電気機器があります。また、発電所などでは500tを超える変圧器もあります。
写真:重量が500tを超える変圧器
大型の変圧器などは設置のために広いスペースが必要で地下室や屋上などに設置されていて、解体に必要な重機の搬入や解体後の廃電気機器の搬出が困難なケースがあります。また、使用が終了した後も移動させるのが困難なため、稼働中の変圧器の間に廃電気機器が設置されたままになっているケースもありました。
実際にジオテクノスが今までに実施した大型廃電気機器解体工事287件の内、廃電気機器が地下室に設置されているなどにより解体工事が困難だった現場は39件ありましたが、現場の制約条件に合わせて工夫をすることで無事に工事が終了しました。
写真:左:3mを超える大きさの変圧器、右:大型のブッシング
また、解体した後の廃電気機器を安全に効率的に輸送するための運搬容器をDOWAエコシステムとジオテクノスと共同で設計・開発し、特許を取得しました(登録番号:6214274)。
この運搬容器は、リターナブルで何度も使用できます。空箱を運搬する際には外箱に内箱を収納して運搬する事で回送費削減とCO2排出量を削減できます。
写真:運搬用鋼製容器
2. 安全な現地解体のへの取り組み
2-1. 作業環境と作業手順
廃電気機器を解体する過程でPCB汚染物からの飛散を防ぐための作業手順、安全な作業環境を施工計画に盛り込む必要があります。
また、廃電気機器内には抜油しきれなかった絶縁油が残っていますので、解体作業による火災を起こさない工夫も大切です。
2-2. PCB廃棄物の適正な管理
解体した後の廃電気機器をPCB汚染物として適切に管理することは重要ですが、一方でPCB非汚染物は通常の産廃として処分できます。PCB廃棄物の適正な管理のためには、PCB汚染物と非汚染物の区別を適切に行うことが重要です。
2-3. 施工計画
設置場所の状況や廃電気機器の大きさや状態など、現場ごとに制約条件が異なる中で、労働災害や環境汚染災害の可能性を想定してリスクを最大限に小さくするために必要な作業環境や手順を検討し、解体工事の施工計画に反映させていきます。
2-4. 確実な施工管理
施工計画を確実に実施するためには、実際の解体工事現場における施工管理がポイントになります。その際、環境工事を専門とする監督者が施工管理をおこなうことも非常に重要です。
写真左から:高圧ブッシングカバー撤去、変圧器内部状況、内側コイル材 運搬用鋼製容器収納
3. さいごに
これからもPCB廃棄物の無害化などPCB廃棄物処理推進に貢献するため、今までの解体工事現場での経験を活かし、様々な取り組みを進めていきます。
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この記事は
DOWAエコシステム 環境ソリューション室
上田 が担当しました